2008年12月17日
過払い金がある場合(その3)
昨日書きましたとおり一連取引を採用するか個別取引を採用するかにより
過払い金の金額に大きな影響を及ぼすことになります。
私達、専門家の間でも悩ましい大きな問題点です。
この点の判断につき指針となる最高裁の判例が平成20年1月18日に
示されました。結論部分を簡単に抜粋しますと
基本契約1に基づく取引契約と基本契約2に基づく取引とが事実上1個
の連続した取引であると評価できる場合に当たるなど特段の事情のない
限り、基本契約1により生じた過払い金は、基本契約2に係る債務には
充当されないと言うべきである。
との判断がされました。ここで言う特段の事情とは何を指すのでしょう?
この点については大きく4つの条件に分類出来るようです。
①第一取引における貸付と返済が反復継続された期間の長さと第二取引
における最初の貸付までの期間
②第一取引終了時における契約書の返還の有無、およびカードが発行
されてる場合のその執行手続きの有無
③取引中断中における貸主と借主との接触の有無
④第二契約が締結されるに至る経緯、および第一取引と第二取引の利率
等の条件の異同
この条件を満たせば事実上1個の連続した取引(一連取引)と評価できて
第一取引で生じた過払い金を第二取引に充当する旨の合意が存在するもの
と評価されるそうです。
私自身の個人的な感想から言えば、些か業者寄りの判例のように思えます。
at 11時12分 | コメント(0)
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